シミに効く塗り薬?!
- 2019年6月26日
- ブログ
シミは塗り薬で良くなるのでしょうか?
はい、シミの種類によっては塗り薬が有効です。
塗り薬がもっとも有効なのは、老人性色素斑または日光性黒子という丸くて盛り上がりのない平らなシミです。
レーザー治療や怪我などの傷が黒くなる炎症後色素沈着にも効きます。
(ただし、全ての方に有効とは言えません。)
もちろん、レーザーやフォトフェイシャルのようにすぐに変化があるわけではありませんが、こつこつ自宅で治療できます。
その塗り薬はトレチノインとハイドロキノンという2種類の薬です。
両方を同時に使用することでしっかりした効果が出ます。
トレチノインはタミンA(レチノール)の仲間で、ビタミンAの50-100倍の生理活性があります。トレチノインは米国ではしわ・ニキビの治療医薬品としてFDAに認可されており、非常に多くの患者さんに皮膚の若返りの薬として使用されています。またトレチノイン(レチノイン酸)はもともと血液中にごく微量流れているものです。
トレチノインは表皮の細胞をどんどん分裂・増殖させ、皮膚の再生を促します。
この作用によって、表皮の深い層にあるメラニン色素を外に押し出します。
この肌再生効果のあるトレチノインと、強力な漂白作用のあるハイドロキノンを同時に使うことでシミを薄くします。
治療期間は2−3ヶ月です。
トレチノインは皮膚を剥がす力が強いので、皮膚の状態によって濃度を調節します。また赤くなったり皮がむけたりすることがありますので、必ず診察を受けて説明を聞いてから使用してください。
ハイドロキノンはかぶれる方もいらっしゃいますので、その場合にはアルブチンやコウジ酸などの薬を使用します。
ハイドロキノンは高濃度だから良いというものでもなく、濃度が高くなると刺激や毒性もあるので適度な濃度のハイドロキノンを使用します。
トレチノインは非常に変性しやすい薬です。(当院では長期安定性の軟膏を使用しています。)冷暗所に保存しましょう。
レーザーはこわい、痛いのは嫌だという方、自宅でシミを薄くしたい方、まずは塗り薬が効くシミかどうかご相談ください!