ニキビ跡ができるメカニズムとは?気になる赤みを治療や予防する方法も紹介
- 2025年2月3日
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できてしまったニキビがせっかく治ったのに、赤みのあるニキビ跡が残ってしまった経験はありませんか?
ニキビの跡で赤みがある場合、どのような原因があるのか、対応や予防策があるのか、悩んでいる方は多いでしょう。
跡が残らないようにするには、できたニキビを適切にケアすることが大切です。
本記事では、ニキビの跡ができる原因と対策や予防策をご紹介します。
ニキビ跡ができるメカニズム
ニキビ跡ができないようにケアするには、跡ができるメカニズムを知るのが大切です。
赤み、色素沈着、凹みやクレーター、しこりやケロイドといった4つのケースにおいて、ニキビ跡ができるメカニズムを紹介します。
ニキビ跡が赤くなるメカニズム
毛穴に皮脂が詰まり、細菌が増殖して炎症が起こるとニキビができます。
ニキビの炎症で周囲の組織がダメージを受け、傷痕として残ってしまう状態がニキビ跡です。
赤くなったニキビ跡は炎症後紅斑とも呼ばれており、炎症が跡として残った状態です。
ニキビの炎症によってダメージを受けた肌は、毛細血管が新たに作られたり拡張したりしてダメージを修復していきます。
赤くなったニキビ跡は、多数の毛細血管を流れる血液によって赤みが出ている状態で、ダメージを受けて皮膚が薄くなっているために赤みが目立ちます。
軽度であれば肌のターンオーバーで自然に消えていきますが、皮膚の深い部分までダメージがある場合は、クリニックでの治療が必要です。
ニキビ跡の色素沈着のメカニズム
ニキビ跡の色素沈着には2種類あります。
1つは赤黒い色素沈着で、炎症や化膿によって破壊された毛細血管から出血し、その血液が酸化して紫から赤黒いシミのように跡が残った状態のため、ほとんどが自然に治ります。
もう1つは茶色の色素沈着で、ニキビの炎症が治まったあと、シミのように茶色の色素沈着として跡が残る状態です。
これは、炎症後色素沈着といい、ニキビによる炎症でダメージを受けた肌を守るため、メラノサイトが活性化し大量のメラニンが生成されるのが原因です。
通常は肌のターンオーバーで半年から数年かけて薄くなりますが、炎症によるダメージの大きさによっては跡が消えずに残る場合があります。
いずれの場合も、状態によってはクリニックでの治療が必要です。
ニキビ跡の凹みやクレーターのメカニズム
ニキビ跡の凹みやクレーターは赤みや色素沈着よりも重度で、ひどい炎症を起こしているニキビの放置や、できてしまったニキビを爪などでつぶすのが原因です。
皮膚の奥まで達した炎症を抑えるために体内では白血球が働きますが、同時に皮膚細胞や真皮層も破壊されてダメージを受けてしまいます。
破壊された真皮層はターンオーバーができないため、ニキビ自体が治っても受けたダメージはそのままクレーターとなって残ります。
跡の形によってアイスピック型・ローリング型・ボックスカー型などの種類があり、それぞれ凹みが深ければ深いほど改善は困難です。
ニキビ跡の凹みやクレーターは、自然に治ったりセルフケアで消したりすることはできないため、クリニックで治療が必要です。
ニキビ跡のしこりやケロイドのメカニズム
ニキビが治ったあと、皮膚が硬くなりしこりのように盛り上がる場合があります。
ニキビ跡のしこりは、ニキビによる炎症が真皮まで達するときに、皮膚を修復しようと生成される細胞が過剰につくられ、皮膚が固くなるのが原因です。
また、ニキビ跡が赤く盛り上がり、ケロイドができるケースもあります。
ケロイドは、奥までダメージを与えるニキビによって発生し、フェイスラインや背中、肩あたりにできやすくなります。
しこりやケロイドは、凹みやクレーターと同様に重度のニキビ跡で、消すためにはクリニックで施術を受けなければなりません。
自分でできる赤いニキビ跡を消す方法
赤いニキビ跡は適切なセルフケアで消える可能性があります。
医療機関に行く前に、まずはセルフケアによって改善できないか試してみましょう。
ニキビ跡を消すには、肌のターンオーバーを促す、紫外線に気を付ける、抗炎症作用のある化粧品を使うといった方法があります。
本項では、この3つの方法について解説します。
肌のターンオーバーを促す
セルフケアで赤いニキビ跡を消すには、肌のターンオーバーを促すのがポイントです。
ニキビ跡は、ターンオーバーを繰り返すうちに自然と消えていくケースが多くあります。
大切なのは、規則正しい生活習慣です。
バランスのいい食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけましょう。
肌や細胞の再生に役立つタンパク質やビタミンを含んだ食事は、内側から肌を整えるのを助けます。
睡眠は成長ホルモンの分泌を促し、肌質を改善するのに効果的です。
紫外線に気を付ける
ニキビやニキビ跡は日焼けによってシミになるケースがあるため、紫外線には気を付けましょう。
外出する際には、日焼け止めクリームを塗ったり、日傘や帽子、サングラスなどを使ったりして紫外線から肌を守るのが大切です。
また、夏期だけでなく、春や秋も紫外線量が意外と多いため注意しましょう。
紫外線はニキビだけではなく、肌の乾燥などさまざまな肌トラブルの原因にもなり、肌が乾燥するとターンオーバーも乱れにもつながります。
抗炎作用のある化粧品を使う
ニキビ跡をセルフケアするには、抗炎症作用がある化粧品を使うのも効果的です。
抗炎症作用がある成分にはビタミンC誘導体、グリチルリチン酸、イソプロピルメチルフェノールがあります。
ビタミンC誘導体には抗酸化作用があるためニキビ跡の改善が期待でき、グリチルリチン酸は抗炎症作用があるため、ニキビ対策におすすめです。
また、イソプロピルメチルフェノールはニキビの原因であるアクネ菌の殺菌作用があります。
セルフケアでニキビ跡を改善したい場合は、抗炎症作用の成分が入っている化粧品を選ぶのもポイントです。
医療機関で赤いニキビ跡を消す方法
赤みのあるニキビ跡は、規則正しい生活習慣などで肌のターンオーバーを促せば消えるケースもありますが、炎症が皮膚の奥まで達してしまった場合、セルフケアで消すのは困難です。
その場合は、医療機関でニキビ跡の治療を受けるのがよいでしょう。
本項では、医療機関における治療方法を紹介します。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングでは、肌の表面にグリコール酸など酸性の薬剤を使って古い皮膚を溶かし、毛穴のつまりを取り除きます。
ターンオーバーが促されるため、ニキビ跡の治療に効果的です。
繰り返しおこなうことで皮膚のターンオーバーのサイクルを正常化し、ニキビのできにくい皮膚になります。
最初は2週間に1回程度の施術から始め、継続していくとニキビができる間隔が長くなるため、そのあとは1ヵ月に1回、2ヵ月に1回と期間を空けていくとよいでしょう。
ケミカルピーリングをおこなうと、皮膚表面はなめらかになりくすみを改善する効果もあります。ただし、皮膚深部までダメージを受けてできた凹みには効果がありませんので注意が必要です。
フォトフェイシャル
フォトフェイシャルは、特殊な光を使って、さまざまな肌トラブルの原因にダメージを与え、症状を改善する美容医療です。
光治療とも呼ばれ、シワやくすみ、毛穴など、肌のさまざまな悩みを同時に改善できるのが特徴です。
光によってメラニンやヘモグロビンにダメージを与え、赤みのあるニキビ跡を改善します。
施術時の痛みはほとんどなく、3〜4週間に1度の治療を3回~6回継続すると、より高い効果を発揮します。
ダウンタイムが短く肌へのダメージも比較的少ないため、施術後すぐにメイクや洗顔ができ、気軽に治療を受けられるのがメリットです。とくにニキビ跡の赤みに効果的です。
ただ、炎症後の色素沈着にはかえって悪化する場合もありますので注意が必要です。
レーザーフェイシャル
高い性能を誇る医療レーザー脱毛機器を用いてニキビの原因となる毛根を縮小させ、アクネ菌に対してレーザー光を照射して、ニキビの原因を取り除きます。
さまざまなタイプのニキビに効果的な治療法で、ニキビ跡の改善だけでなく、肌の質感やトーンも改善できます。
一般的に4週間間隔でおこなわれ、比較的治療時間が短く、痛みも少ない治療方法です。
肌質に合わせてレーザー光を照射し毛穴内のアクネ菌を殺菌することで、にきびの炎症を抑えて肌の改善を促します。
毛穴の引き締め効果や肌のトーンアップ、美白効果も期待できます。
エレクトロポレーション
エレクトロポレーションは、肌に微弱電量を流して美容成分を肌に浸透させる施術です。
ニキビやニキビ跡治療に効果的な脂腺の働きを抑えるビタミンCや、抗炎症効果のあるトラネキサム酸を肌の奥まで浸透させることで、ニキビの症状を改善できます。
高速の電気パルスを皮膚表面に与えると、肌に必要な成分を大量に取り入れられるため、イオン導入や超音波導入よりも効率的で治療効果が高いのが特徴です。
針の使用や切開を伴わないため、痛みもなく、敏感肌やアレルギー肌の方でも施術ができます。
施術は短時間で、施術による赤みなどのダウンタイムもなく、すぐにメイクするのも可能です。
赤いニキビ跡を作らない予防方法
赤みのあるニキビ跡を治すには時間がかかります。
炎症がひどく肌へのダメージが大きくなると、医療機関での治療が必要です。
ニキビ跡を作らないためにも、毎日のセルフケアで予防しましょう。
本項では、自分でできるニキビ跡の予防方法を6つご紹介します。
保湿ケア
肌へのダメージはニキビやニキビ跡の原因となるため、普段からきちんと保湿ケアをおこなうのが大切です。
肌が乾燥するとバリア機能が低下し、紫外線などの外部からの刺激に敏感になります。
すでにニキビの炎症でダメージを受けているうえに、乾燥によるダメージも加わると、肌の回復が遅れる要因となります。
肌のターンオーバーの乱れを引き起こすのも乾燥です。
ニキビ跡はターンオーバーの繰り返しで徐々に薄れていくため、肌のターンオーバーを整えるためにも保湿ケアを欠かさずおこないましょう。
保湿ケアによって肌の潤いを保ち、紫外線からのダメージを防ぐバリア機能を高められます。
保湿ケアには、適度な油分も必要です。
肌がベタつくのを抑えるために、油分をまったく使用しないと、逆に肌から水分が逃げて乾燥の原因になるため注意しましょう。
角質ケア
肌のターンオーバーを整えるには角質ケアも大切です。
角質ケアとは、肌表面の不要な古い角質を取り除くお手入れです。
古い角質が肌に残ったままだと、肌のターンオーバーが乱れる場合があります。
ターンオーバーが乱れるとニキビ跡の改善に影響を与える他に、古い角質が毛穴詰まりやニキビの要因となるため注意が必要です。
刺激が強い角質ケアアイテムはニキビ跡の悪化につながる可能性があるため、刺激の少ないアイテムを選び、角質のケアのあとは必ず保湿ケアをおこないます。
ニキビ跡を少しでも早く治したい方は、肌表面に残っている角質を定期的に取り除き、肌のターンオーバーを整えて、肌の生まれ変わりのサイクルを改善しましょう。
紫外線対策
紫外線は肌にダメージを与えるため、赤みのあるニキビ跡にさらに刺激が加わり、悪化させる可能性があります。
日焼け止めや帽子などで紫外線対策をして、色素沈着の元となるメラニン色素の生成を妨害し、悪化を防ぐのが大切です。
紫外線は年中出ているため、季節を問わずしっかりと対策をしましょう。
赤みのあるニキビ跡ができている肌はデリケートな状態のため、肌への負担が少ない、低刺激性の日焼け止めを使用するのがポイントです。
バランスがとれた食事を摂る
ニキビ跡を予防するためには、体の内側からのケアも大切です。
バランスのよい食事を摂るように心がけましょう。
ビタミンは肌のターンオーバーを促進する栄養素で、特にビタミンC、E、Bはニキビケアに効果的です。
豆やレバー、卵やアーモンド、うなぎにはビタミンBが多く含まれ、ニキビ予防が期待できる栄養素です。
卵やオリーブオイル、大豆やアボカドには血行促進の効果があるビタミンEが含まれています。
ビタミンCは野菜や果物に多く含まれており、色素沈着の予防効果が期待できます。
一方で揚げ物やスイーツ、炭水化物はニキビを悪化させるため、摂り過ぎには注意しましょう。
睡眠をとる
睡眠不足は、成長ホルモンが分泌されず肌のターンオーバーが乱れる原因です。
肌のターンオーバーが乱れると肌に古い角質が残ってしまったり、ダメージの修復に影響を与えたりします。
不規則な睡眠は、ホルモンバランスを乱す原因にもなるためニキビが悪化してしまいます。
肌のターンオーバーを整えるためには深い眠りにつき、成長ホルモンの分泌を促進させるのが大切です。
しっかりと質のよい睡眠が取れるように、就寝の2〜3時間前に入浴を済ませ、就寝の1時間前にはスマートフォンやパソコン、テレビなどの光を浴びないように意識しましょう。
寝つけない場合は、毎朝同じ時間にしっかり太陽の光を浴びるようにしてください。
そうすると脳からセロトニンが分泌され、夜には深い眠りに入り、成長ホルモンの分泌が促されます。
ビタミンCを含んだスキンケア用品を使用
赤いニキビ跡を作らないためには、ビタミンC誘導体が配合されたスキンケア用品を使用するのもおすすめです。
スキンケア用品でビタミンCを肌に浸透させることで、メラニンの生成を抑える働きやターンオーバー機能を整えられます。
ニキビの悪化を防ぐ作用の他にも、メラニン生成を抑制するといった美白作用など、肌への美容効果が多くあるビタミンCですが壊れやすいという欠点があります。
空気に触れるとすぐに酸化するため、そのままではスキンケアに利用することができません。
ビタミンC誘導体は、肌に付着したタイミングでビタミンCに変化するため、ビタミンCを肌に効率よく浸透させる効果があります。
まとめ
赤みのあるニキビ跡は、多数の毛細血管を流れる血液によって赤みが出ている状態で、ダメージを受けて皮膚が薄くなっているために赤みが目立っています。
肌のターンオーバーを繰り返すうちに自然と消えていくケースが多くありますが、炎症による肌へのダメージが大きいと自然治癒は難しいため、クリニックで相談してみましょう。
石神井公園駅前皮フ科では、ニキビ跡の治療方法としてケミカルピーリング、フォトフェイシャル、レーザーフェイシャル、エレクトロポレーションをおこなえます。
ニキビ跡でお悩みの方はお気軽にご相談ください。