粉瘤ができたら皮膚科と外科どちらで診察を受ける?治療方法や手術について
- 2025年2月3日
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粉瘤は良性のできものですが、ニキビのように薬で完治できません。
全身のどこにできるかもわかりませんし、粉瘤とは知らずに過ごしている人もいるでしょう。
粉瘤ができてしまったり大きくなったりして日常生活に支障が出ると、不安が高まります。
痛みが出たり炎症を起こしたりする前に病院で診察を受けるべきですが、皮膚科と外科で迷ってしまい重症化するケースもあります。
本記事では、粉瘤は皮膚科と外科どちらで診察を受けるべきなのか、治療方法や手術について解説します。
粉瘤ができて困ったときには、ぜひ本記事を参考にしてください。
粉瘤は自然治癒することはない
私たちの皮膚はターンオーバーによって生まれ変わっています。
新しい皮膚が作られると、古い皮膚は垢となってはがれ落ちるのを繰り返します。
粉瘤は、はがれ落ちていくはずの角質や皮脂が何かしらの原因によって、皮膚下にたまった良性腫瘍です。
袋状になった粉瘤の中身は、皮脂や古い角質が混ざりあっているため、悪臭となったり雑菌が入り込むと腫れあがります。
小さなまま気付かずに生活する人もいれば、炎症を起こし腫れあがったり、こぶのように大きくなったりするケースもあるようです。
中心部に黒く小さな穴が空いたように見えるのは、皮膚に小さな穴があいているためで、ここを中心に皮膚が折れ込んで皮膚の下に袋ができています。
粉瘤はサイズが大きくなる場合が多く、自然治癒はしないため、サイズが小さいうちに治療しましょう。
粉瘤の診察は皮膚科がおすすめ
粉瘤は皮膚の異常疾患になるため、皮膚科を受診してください。
専門医の診察を受けて、薬で改善できるのか、切除が必要なのかを判断します。
見た目だけでは、粉瘤なのか毛嚢炎などの疾患であるかを判断するのは難しいです。
粉瘤には首やワキ、腕にできる多発性毛包嚢腫や、頭部にできる外毛根鞘性嚢腫、全身のどこにできるかわからない表皮嚢腫があります。
どこにできても、雑菌が入り込んで炎症を起こす可能性があるため、まずは皮膚科で状態を確認し治療を開始します。
背中やお尻など、自分からは見えない場所にできてしまうと、何らかの刺激で痛みがでたり大きく腫れ上がってから気付くケースも少なくありません。
皮膚が腫れたりかゆみがあるような場合でも、皮膚科を受診してください。
粉瘤の診察は皮膚科以外でもできる
粉瘤は良性の皮膚腫瘍のため、診察から治療までは保険診療です。
皮膚の異常であるため皮膚科に行くのがおすすめですが、形成外科や美容外科でも粉瘤の治療を受けられます。
しかし、診療科によって治療方法や費用に違いがあったり、術後の傷の状態に特徴があったりします。
治療方法 | 費用 | 特徴 | |
皮膚科 |
|
保険適応 | 手術をする医院としないところがある |
形成外科 | 手術 | 保険適応 | 術後の傷がキレイ |
美容外科 | 手術 | 自由診療のため高額 | 術後の傷がキレイ |
費用面では、保険適応になるのかが大きなポイントです。
事前に、各診療科の治療方法や費用について知っておくと、安心して受診できるでしょう。
ここでは、各診療科がどのように粉瘤の治療をおこなうのかご紹介します。
形成外科
形成外科には、外傷や外表先天異常、再建外科、美容外科などの分野があります。
形成外科は、形を整え傷をきれいに治す知識と技術が必要で、見た目を左右する粉瘤も形成外科の分野です。
皮膚膚によって手術はしない病院があるため、そのような場合には形成外科を受診してください。
粉瘤は治療せずに回復したり完治したりできません。溜まった老廃物を排出しても、皮膚下にある袋状の組織を取り除かない限りは溜まり続けてしまうからです。
袋状の組織を摘出するには、30分の手術が必要になります。
顔やデコルテなど、人目につくような場所の場合には、傷跡が目立たない手術が好ましいです。
形成外科での粉瘤手術は、傷跡が目立ちにくいだけでなく、費用は保険適応となるメリットがあります。
美容外科
粉瘤が顔や首などの目立つ場所にできた場合、できるだけ目立たない方法での手術を希望する方が多いのではないでしょうか。
美容外科は、見た目をきれいにするのが目的で、病気や怪我の治療が目的ではありません。
そのため、自由診療となり治療費は高額ですが、傷口が目立たずきれいになるメリットがあります。
治療費が高額になっても見た目を良くしたい、傷を残したくないと考えているなら、美容外科を検討してみましょう。
粉瘤の治療方法
粉瘤は自然治癒しないため、皮膚下にできてしまった袋を手術で取り除き、再発を防止します。
基本的には手術をおこないますが、炎症が起こっている場合には炎症が治まってから治療をおこなうなど、粉瘤の状態によって経過観察が必要です。
ここでは、粉瘤の治療方法について見ていきましょう。
投薬
粉瘤に雑菌が入り込んでしまった場合、炎症が治まるまで手術ができません。
炎症を抑えるためには、抗生物質による投薬治療がおこなわれます。
数日間服用すれば、痛みや炎症は徐々に治まり腫れも引いていきます。
しかしながら、投薬治療は炎症を抑える効果はあったとしても、粉瘤が消えるわけではありません。
投薬によって粉瘤が小さくなると、治療をやめてしまう人がいますが、再発を繰り返し悪化してしまうケースもあります。
あくまでも、手術を円滑に進めるための準備期間と考えてください。
くりぬき手術
くりぬき手術は、サイズが小さく、炎症が比較的弱い粉瘤におこなわれる方法です。
特殊な器具を使い粉瘤の中心部に小さな穴をあけ、内容物を絞り出したあと、袋を抜き取ります。
袋が癒着していなければ、きれいに袋を取り出せます。何度も炎症を繰り返していた場合、周囲と癒着していることが多く、この方法は不向きです。
この方法は、傷が小さいため皮膚に跡が残りにくく目立ちません。できる限りメスを入れたくない、目立つ場所の手術方法として優秀ですが、デメリットもあります。
袋が大きい場合には、完全に取り除くのが難しく、少しでも袋が残っていると再発する可能性があります。また、大きすぎると撮った後が凹んでしまうこともあります。
炎症の状態やサイズ、場所を調べたあとに手術をおこないます。
切除術
粉瘤の大きさに合わせて切開し、袋を根こそぎ取り除いてしまう方法です。
再発を繰り返す粉瘤やサイズが大きいものは、根治治療として紡錘形切除がおこなわれます。
傷跡はやや大きくなりますが、皮膚のシワに沿って綺麗に縫うと目立たなくなります。しっかりと取り切ることができるので最初の可能性は低くなります。
手術は部分麻酔でおこなわれ、30分程度で終了するため日帰りでおこなえます。
傷口は時間が経てば目立たなくなり、術後の経過もよいです。
炎症がある粉瘤は切開術を行い、溜まっている膿を出して消毒し、場合によってはガーゼを傷口に埋め込みます。
炎症が治まったあとに切開し、袋を取り出して根治させます。
粉瘤は再発しやすい?
膿の袋が取り切れていなかったり、少量でも残っていると新しい袋が作り出され、角質や皮脂が蓄積されていきます。
切除術で完全に摘出されれば再発はしませんが、くりぬき手術で袋が残っていたら、再発する場合があります。
内容物を出したあと、袋を摘出する場合も、慎重に手術しなければ袋組織が残留し再発の可能性が高まるでしょう。
粉瘤が再発した場合、今度こそは袋を完全に削除する必要があるため、くりぬき手術ではなく皮膚を切開します。
手術で完璧に袋を取り除いたあとは、適切なケアで雑菌の侵入を防ぎ、定期的な検診を受けるのが望ましいです。
粉瘤に似た皮膚疾患
中心部が黒く見えるものだけが粉瘤ではありません。
ドームのように皮膚が腫れ、触るとやわらかく、赤く腫れて痛みがある粉瘤もあります。
皮膚科で治療を受ける前に、粉瘤に似ている他の皮膚疾患の特徴をチェックしましょう。
ニキビ
ニキビは全身にできる吹き出物で、皮脂が多い部分に発生します。
ホルモン分泌が過多になる思春期にできやすいイメージがありますが、大人になっても、食生活の乱れや寝不足などが原因で発生します。
ニキビが気になって、つい汚れた手で触ったりつぶしたりする方も多いのではないでしょうか。
しかし、気になるからといって触ってしまうと、雑菌が入り熱をもって腫れてしまいます。
赤く腫れているニキビは、粉瘤と間違えられやすいです。
ニキビは大きくなっても数ミリ程度ですが、粉瘤はこぶのように大きくなり、炎症が強くなるとしこりのように硬くなります。
どちらにしても、赤く腫れあがってしまうようであれば、早めに皮膚科で診察を受けましょう。
脂肪腫
粉瘤は皮膚の浅い部分にでき、袋のなかに皮脂や角質が溜まるため、放置していると大きくなります。
脂肪腫は皮膚の深層組織にできるしこりで、柔軟性がありますが、原因は不明です、
粉瘤と同じ良性の腫瘍のため放置される場合が多いですが、徐々に大きくなりますので気になるようになったら早めに手術しましょう。
まれに悪性腫瘍であるケースがあるため、手術後に病理検査をおこないます。
化膿性汗腺炎
汗腺に雑菌が入り込み、膿が溜まってしまう疾患です。
化膿すると熱をもって腫れあがります。
カミソリを使った脱毛で皮膚を傷つけてしまうと起こりやすく、中心が黒く見えるため粉瘤と見分けがつきにくいです。
同じ場所を何度も傷つけると、痛みや赤い腫れを伴うおできができてしまい、赤いブツブツや硬い皮膚、蜘蛛の巣のような見た目になる場合もあります。
太もものつけ根・ワキの下・乳首・お尻などに起こりやすく、20〜40歳代を中心に発症する疾患です。
おでき
毛嚢炎を起こしたものをおできと呼び、毛穴に雑菌が入り込んで赤く腫れあがり痛みを伴います。
化膿性汗腺炎と間違えられやすく、細菌の感染によって膿が溜まるため、熱をもったり痛みがあるなど粉瘤と症状が似ており区別がつきません。
自己判断せずに病院で診察を受け、適切な治療を受けてください。
ガングリオン
ガングリオンはゼリー状の粘液が溜まり、しこりのようになる疾患です。
ふくらみがやわらかく、粉瘤と見分けがつかないため間違えやすいですが、指や膝などの関節部分にできます。
ガングリオンの大きさは多種多様で、粉瘤のように痛みや炎症を起こす可能性は低いです。
粉瘤を治療する皮膚科の選び方
粉瘤は皮膚科を受診し、適切な治療を受ける必要があります。
皮膚科ならどの病院でもよいわけではありません。
粉瘤は再発の可能性がある疾患であるため、自分が納得して任せられる病院を選んでください。
ここでは、粉瘤治療をおこなう皮膚科は何を基準に選べばよいのかご紹介します。
粉瘤の手術実績がある
民間治療では根治が不可能な粉瘤は、原因となる袋の切除がポイントです。
くりぬき手術、切除術のどちらを選ぶにしても、実績がなければ安心して任せられません。
症例が多く、完治している患者が多い皮膚科を探してください。
粉瘤の状態に適した治療方針を説明し、どちらの術式が適切であるのかなどを説明してくれるかもポイントです。
アフターフォローが充実している
術後の経過や再発防止のための指導など、不安にも向き合ってくれる医師がいる皮膚科がおすすめです。
粉瘤ができる人は、1つが治っても別の場所にできる可能性があります。
場所によっては傷を残したくない人もいますし、どれくらいで傷が消えるのか、傷が残った
ときにどうすればいいのかなど、不安も多いでしょう。
患者に寄り添い不安を拭ってくれる医師なら、安心して手術を任せられます。
料金がわかりやすい
皮膚科での治療は、保険診療となるため治療費は抑えられますが、場所や大きさによって料金が異なります。
治療費がわからないまま、急に手術をおこなわれても不安になるでしょう。
事前に治療費の内訳が公式サイトで確認できるのか、電話やメールで問い合わせが可能かなどをチェックしてください。
料金がわかりやすく、適正価格であるかもポイントです。
まとめ
粉瘤は根治をしなければ、何度でも繰り返してしまう厄介な皮膚疾患です。
皮膚科によって、手術ができる病院やできない病院があるため、事前に手術可能な病院をチェックしてください。
石神井公園駅前皮膚科では、粉瘤の大きさや患者の悩みに合わせて、どちらの手術が適しているかを考えてくれます。
公式サイトでは、料金表で治療費用も確認可能です。
Web予約に電話にて、診療予約を受け付けていますから、お気軽に来院ください。