脂肪腫
- 2019年2月20日
- 皮膚外科
脂肪腫
脂肪腫は大人の上肢、肩、背部に多い皮下腫瘍でです。発生原因は不明ですが、刺激の受けやすい部位に生じる傾向があります。痛みを伴うことはほとんどないため、背部などの目につきにくい場所にできた場合、大きくなってから受診される方も多くいらっしゃいます。典型的なものであれば触診と視診で診断は可能ですが、部位や深さの違いにより診断しにくい場合もあります。また、筋肉の中に入り込んでいることもありますので、単発の大きなものの場合にはMRI検査おこなっていただきます。
脂肪腫の治療
治療は完全切除が原則です。脂肪腫は液体ではないので注射器などで抜き取ることはできません。
日帰り手術を行なっておりますが、10センチを超えるような大きなものでは脂肪肉腫という悪性腫瘍の可能性もありますので必要に応じて大学病院等へご紹介いたします。
通常、直上を切開して被膜を損傷しないように一塊に切除します。大きなものでは術後に切除したスペースに血がたまらないように、柔らかいストロー様の血抜きの管を創部に挿入する場合があります。
傷跡がきになる方には、表面を縫わずに内側の真皮のみを縫合する方法もご提案いたします。お気軽にご相談ください。
切除したものは病理組織学的検査で悪性所見の有無などを確認しています。
抜糸は術後7日目から2週間以内におこなうのが一般的で、その後は通常の生活を送っていただきます。
単発の場合は抜糸が終われば受診の必要もありませんが、体質的に脂肪腫が生じやすく多発する人の場合はまた新たな脂肪腫が生じることも多く再度手術が必要になることがあります。