陥入爪、巻き爪
- 2019年2月20日
- 皮膚外科
陥入爪、巻き爪
陥入爪
陥入爪は爪の側縁の先端が皮膚に食い込んで、炎症を起こして腫れて、赤くなり、痛みを伴うようになる病気です(図)。ときには、爪甲の先端が食い込んだ部分を中心に、出血しやすい肉芽を伴っていることもあります。
陥入爪は爪甲の側縁先端が指趾先端よりも長ければ決して起きない病気です。陥入爪の原因は爪の切り方が不適切なために起こります。ときには、爪甲側縁を切り残して棘(とげ)を作っていることもあります。
軽症の場合には食い込んでいる側の皮膚を引っ張って圧を下げるテーピングや爪の横の爪甲側縁先端の下にコットンを詰める方法で軽快することもあります。
爪甲の側縁を短く切る方法も行われていますが、一時的に症状を和らげるだけで、爪甲が少し伸びてくると大抵再発しますし、一層重症化します。
爪を斜めに短く切ってしまった場合は爪甲の上に人工爪を作製して、爪甲を長くする人工爪療法が良いと考えています。
巻き爪
治療方法は超弾性ワイヤー矯正法と根治手術(フェノール法)があります。
超弾性ワイヤー矯正法で完全によくなることは少なく、よくなっても再度ワイヤーを装着する必要があることも多いです。
陥入爪の治療として、フェノール法は世界的に推奨されている方法ですが、術後年数を経ると爪の変形をきたす場合があります。
1)巻き爪超弾性ワイヤー、プレート矯正
爪の先端部分の両側に超弾性ワイヤーやプレートでできた器具を装着します。
超弾性ワイヤーは元に戻ろうとする力が強く、湾曲した爪を徐々にもとの平らな状態に戻して陥入爪を治療します。
麻酔や手術を必要としないので手軽にでき、強制終了直後から痛みが軽減されていきます。
装着する器具の種類により費用が異なります。
※爪のマニキュアなどは落としてご来院ください。
※爪を切らないでご来院ください。爪を短く切るとワイヤーが通せません。
2)陥入爪/巻き爪手術(フェノール法、ガター法)
フェノール法
局麻麻酔注射薬で麻酔をおこないます。巻き爪の皮膚にくい込んでいる爪部分を切除します。
その後に再生した爪が再度陥入した爪とならないように、爪母という爪をつくる部分をフェノール(石灰酸)で化学焼却します。フェノールが必要以上に深く作用しないように十分に洗浄し終了です。
ガター法
爪が皮膚とぶつからないようにするために爪にチューブをかぶせる治療です。
チューブを爪の端にかぶせた後に糸で縫い止めます。さらに医療接着剤で固定します。爪の端の角が十分に伸びて食い込まなくなったら外します。
斜めに短く切って食い込むタイプの陥入爪に適しています。
陥入爪/巻き爪手術費用
手術名 | 点数 | 自己負担額
(30%) |
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陥入爪手術
(簡単なもの) |
1,400点 | \4,200 |
※保険の初診料金、再診料金が別途必要です。
皮膚外科診療内容