白癬 (水虫、タムシ)
- 2024年2月2日
- 一般皮膚科
白癬(水虫)
白癬菌というカビの一種が皮膚に感染して起こる病気です。体のいろいろな所に感染しますが、足白癬が最も多く、次に爪白癬、その他にも体部や股間にも感染することがあります。
<種類>
①足白癬(足水虫)
趾間型:足指の間の皮膚が白くふやける、皮がむける、ジュクジュクする。
角質増殖型:足裏の皮膚が乾燥して分厚くなりひび割れを伴う。
小水疱型:小さな水ぶくれや軽い発赤が足裏にできる。
②爪白癬(爪水虫)
爪が白く、厚く、もろくなる。
③体部白癬(たむし、ぜにたむし)、股部白癬(いんきんたむし)
痒みを伴い、境界が鮮明な環状の紅斑として現れる。
④頭部白癬(しらくも)
頭部にフケが付着した境界のはっきりとした局面として見られ、毛が抜ける。
⑤手白癬
発症頻度は少ないが、足白癬と同じような症状が現れる。
<検査>
顕微鏡検査にて白癬菌を確認します。
爪白癬は顕微鏡で菌が見つかりにくい場合もありますが、この際には爪白癬抗原検出キットを使用することもあります。
水虫の薬を塗っていると白癬菌が見つかりにくいことがあり、正しい判断ができません。自己判断で水虫薬を塗る前に受診することをお勧めします。
<治療>
・爪白癬以外の治療
塗り薬での治療が基本となります。
痒い所や皮がむけている所だけに塗るのでは十分ではありません。一見症状がない場所でも白癬菌が潜んでいる可能性はあるため、広範囲に塗ることが重要です。
痒みや皮むけがなくなっても白癬菌が完全に排除されたわけではありません。症状が良くなってすぐに薬を中止してしまうと、また再発することが多くなります。症状がなくなってからもしばらく(1ヶ月以上)は薬を塗り続ける必要があります。
足白癬の角質増殖型や重症の頭部白癬などの外用薬で治りにくいものでは、飲み薬での治療を行うこともあります。
・爪白癬の治療
塗り薬では効果が出にくいため、飲み薬での治療が基本となります。
飲み薬の影響で肝機能障害等の副作用が生じる場合があるため、定期的に血液検査が必要です。
肝機能障害や薬の飲み合わせの問題で内服ができない方は、爪白癬用の塗り薬で治療を行います。
<予防・生活の注意事項>
とくに頻度の多い足の水虫は以下のことに注意しましょう。
・足の清潔に気を付ける
毎日足を石鹸で洗いましょう。スポーツクラブ、プール、公衆浴場などの床や足拭きマットを介して水虫がうつることが多いです。こういう所に出入りした後は帰宅後に足をよく洗うと感染の予防になります。
・足を乾燥させる
長時間靴を履いていると湿気がたまって白癬菌が繁殖しやすくなります。靴を長時間履き続けない、1日履いた靴はよく乾燥させてから次に履くようにする、5本指靴下を履く、足の汗が多い人は日中に靴下を履き替えるなどの工夫をしましょう。
・家族の水虫に注意
ご家族の中に無治療の水虫の方がいると、家庭内での再感染のリスクが多くなります。同居されているご家族で水虫を疑う症状のある方には受診を勧めてください。
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