白癬 (水虫、タムシ)
- 2019年2月12日
- 一般皮膚科
白癬 (水虫、タムシ)
白癬は皮膚糸状菌というカビによって生ずる感染症で、国民の5人に1人は足白癬に、10人に1人は爪白癬に感染しているといわれています。
1)足・手白癬
足の趾のあいだにあかみ、鱗屑(皮膚のはがれ)、小水泡を生じるもので、痒みが強い「趾間型」、足(とくにかかと)の皮膚が厚く、ひび割れて、痒みがない「角質増殖型」があります。手白癬は糖尿病や免疫力の低下した方に起こります。
2)爪白癬 多くは爪の外側や横から菌が侵入して、爪が白く、厚く、もろくなります。軽度であれば、外用剤のみで治療ができますが、多くの場合、飲み薬が必要となります。
3)体部白癬(ぜにたむし)・股部白癬(いんきんたむし)はかゆみを伴い、境界が鮮明な環状の紅斑として現れます。股にできるのが、いわゆる「いんきんたむし」です。広がって肛門周囲にまで届くこともあります。
4)頭部白癬(しらくも) 頭部にフケが付着した境界のはっきりした局面としてみられます。残っている毛も簡単に抜けてしまいます。皮膚の深いところまで感染すると、永久に脱毛となることがあります(ケルスス禿瘡)。最近はTrichophyton tonsurans(トリコフィトン・トンズランス)よる感染が増えています。
白癬菌の診断は皮膚の表面に存在する角層や毛、爪に寄生するので、白癬菌が寄生している部位をメスやハサミでとって、顕微鏡で観察します。この直接鏡検によって白癬菌が見つかれば白癬で、見つからなければ白癬ではありません。市販の水虫の塗り薬を塗っていると正しい診断ができませんので、受診の2週間前から外用を休止してください。
足の裏に水泡ができる、かかとの皮膚が厚くなる、痒くなるなどの症状は白癬以外の皮膚病でも見られます。きちんと診断を受けてから外用を開始しましょう。
爪白癬は専用の外用剤もありますが治癒率は低くなりますので内服薬をお勧めしています。
約半年間の内服が必要です。やや高額になりますが3ヶ月で終了するタイプもございます。(一月分3割負担で約8,000円)