じんましん(蕁麻疹)
- 2023年11月28日
- 一般皮膚科
蕁麻疹
皮膚の一部が突然赤く盛り上がり、しばらくすると跡形なく消えてしまう病気です。たいていは痒みを伴いますが、チクチクとした感じや焼けるような感じを伴うこともあります。個々の皮疹は数十分から24時間以内に消えますが、症状が強い場合には次々と新しい皮疹が出没し、常に皮疹が現れているように見えることもあります。
受診時には症状が消えていることも多いため、症状が出ている時に写真を撮影しておいて診察時に見せていただくと診断がしやすいです。
<種類>
(1)急性蕁麻疹
毎日のように繰り返し症状が現れる蕁麻疹のうち、発症して6週間以内のもの。細菌、ウイルス感染などが原因となっていることが多いです。
(2)慢性蕁麻疹
毎日のように繰り返し症状が現れる蕁麻疹うち、発症して6週間以上経過したもの。原因が特定できないことが多いですが、疲労やストレス、感染など様々な因子が症状を悪化させます。
(3)物理性蕁麻疹
機械的擦過や圧迫、寒冷、温熱、日光、振動などといった物理的刺激により起こります。
(4)コリン性蕁麻疹
入浴や運動などで汗をかくと現れる蕁麻疹で、皮疹の大きさが1〜4mm程度と小さいです。
(5)アレルギー性蕁麻疹
食べ物、薬剤、昆虫などに含まれる特定物質(アレルゲン)に反応して起こります。アレルゲンに結合するIgEという血清タンパクが関与します。
(6)非アレルギー性蕁麻疹
症状はアレルギー性と同様ですがアレルギー機序を介さないため、検査で原因が同定できません。青魚、肉類、タケノコ、ほうれん草などの食品中に含まれるヒスタミン様物質が直接血管に働いたり、抗原以外にヒスタミンを遊離させやすい成分が含まれていることによって起こります。その食品の食べ方や量、体調などにより症状が出たり出なかったりします。
(7)血管性浮腫
唇やまぶたなどが突然腫れ上がり、2〜3日かけて消えます。痒みを伴いません。
<検査>
蕁麻疹の70%以上が原因不明の特発性で、アレルギー性は5%程度と言われています。アレルギー性を疑う場合には、抗原に結合する特異的IgEの測定を行う血液検査を行います。
<治療>
(1)抗ヒスタミン薬内服
蕁麻疹には様々な種類がありますが、そのほとんどの場合はヒスタミンが血管および神経に働くことで症状が現れます。そこでこのヒスタミンの作用を抑えるために、抗ヒスタミン薬が用いられます。
抗ヒスタミン薬を1〜2週間内服していただき、通常量で効果が不十分であった場合は内服量を増やしたり、薬剤を変更したりして、その人に合った治療法を模索します。蕁麻疹の出現を抑えることができたら、その内服をしばらく継続して蕁麻疹が出ないことを確認しながら、徐々に内服量を減らしたり内服間隔をあけていきます。
(2)補助的治療薬
抗ヒスタミン薬のみで十分に抑えられない場合には、ヒスタミンH2拮抗薬、抗ロイコトリエン薬等を併用します。強い症状が続く場合にはステロイド内服を行うこともありますが、長期的な使用は勧められていません。
(3)ゾレア(オマリズマブ)
上記の治療を行なっても強い症状が続く特発性の慢性蕁麻疹の患者さんには、生物学的製剤の注射薬であるゾレアが適用となります。月1回皮下注射で投与します。
<生活の注意事項>
疲労やストレス、体調の悪化などにより症状が悪くなることがあるため、日頃からストレスや疲れは溜め込まないようにし、十分な睡眠を取るようにしましょう。
温まると痒みが強くなるので、入浴時には温度に気をつけて長く湯船に入らないようにしましょう。
痒みのある時は患部を冷やすと痒みや赤みが軽減されます。(寒冷刺激で出る蕁麻疹の場合は悪化するので避けてください)
蕁麻疹が出ている時は、アルコールの摂取、辛い食べ物、激しい運動などの刺激で悪化することがあるので控えるようにしましょう。
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