エキシマライト
- 2019年4月10日
- 一般皮膚科
エキシマライト治療(エキシマ紫外線療法)
エキシマライトは、UVB(紫外線B)の中の非常に幅の狭い波長(308nm)の紫外線を選択的に照射する治療器です。日焼けや発がん性のある波長をカットすることにより、より安全に効果的に治療が可能です。(紫外線暴露を最小限にするターゲット型紫外線療法)
従来の紫外線療法(PUVA療法、ナローバンドUVB療法)では治療効果が乏しかった症例に対する優位性が報告されています。
乾癬やアトピー性皮膚炎の外用療法のみではどうしても改善されない症例に対して、エキシマライトを併用することにより、かなりの改善を見ることが明らかになってきています。その他、尋常性白斑、菌状息肉症、結節性痒疹でも有意に改善するとの報告があります。多形日光疹、扁平苔癬、円形脱毛症、掌蹠膿疱症、皮膚掻痒症などにも有効性がみとめられてきています。難治といわれている透析にともなう痒みにも効果があります。
尋常性乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、菌状息肉腫、悪性リンパ腫、尋常性白斑、アトピー性皮膚炎、慢性苔癬状粃糠疹、円形脱毛症に保険適応があります。
【治療方法】
初回は80~200mJ/cm2を照射します。次回の受診時には、前回照射後に紅斑の出現が見られないことを確認した後に10-20%づつ増量していきます。照射回数は週1〜2回行います。症状が改善してきたら漸減すことがあります。症状が軽快して、紅斑が出なくなった時点で出力は固定します。
必要な部分のみにしっかり照射することができ、高出力ですので治療も短時間ですみます。
紫外線防護メガネを着用して頂きます。
【副作用】
長期使用による副作用:紫外線の治療経験が豊富な欧米での長期にわたる研究結果と我が国におけるデータでは、“紫外線発ガンの心配はない”という見解です。小児(10歳以上)や妊婦にも使用可能とされます。
短期の副作用:皮膚の赤み、色素沈着(日焼け)、ほてり感、ヤケドなどがありますが、他の紫外線療法より起こしにくいと考えられています。
※1) 300~400 mJ/cm2は目安で疾患・症状によって変わることがあります。
※2) 10~20%は目安で疾患・症状によって変わることがあります。
診察は月が変わった初回の診察で医師が皮疹を拝見します。このほか週2回照射されている方は4回に1回を目安に医師診察します。