伝染性軟属腫(みずいぼ)
- 2019年2月12日
- 一般皮膚科
伝染性軟属腫(みずいぼ)
伝染性軟属腫(みずいぼ)は伝染性軟属腫ウイルスによる感染でおこります。
皮膚どうしが直接接触したり、プールでビート板やタオルなどを介して感染します。
皮膚に接種感染して発症するまでの潜伏期間が14~50日程度あります。
小児に多く、おもに体幹、四肢、間擦部にみられます。
表面に光沢のある1−5ミリほどの小丘疹となります。圧すると臍窩から排出される白色の粥状物質は、ウイルス感染を受けて変性した細胞塊で、軟属腫小体(molluscum body)と呼ばれ、この軟属腫小体が皮膚に接触することによって次々にうつっていきます。かゆみがある場合は、かきむしることによって広がっていきます(自己接種)。
特にアトピー性皮膚炎があったり、皮膚の乾燥が強く皮膚のバリア機能が低下していると感染して多発しやすくなります。
治療しなくても半年から1年ほどで自然に治っていくことが多いのですが、いつ治るかは個人差が大きく、治るまでに1年以上かかることもあります。 治療するかどうかは皮膚科医のあいだでも意見がわかれていて治療不要との意見もあります。しかし、プールに通うなど他人にも感染させる可能性が高い時には積極的に治療する場合もあります。
伝染性軟属腫(みずいぼ)
治療
1)ピンセットで摘除
保険適用でおこなう一般的治療です。専用のピンセットで伝染性軟属腫(みずいぼ)を摘み取ってしまいます。痛みを伴い、時に瘢痕が残る可能性があることが欠点です。 痛みをなくすためにはリドカインテープ(ぺンレステープ)を使用します。来院1-
2時間前に貼付してもらうと、摘み取るときに痛みがなくなります。
2)液体窒素による冷凍凝固
液体窒素による冷凍凝固も有効な場合もありますが、治療後に色素沈着がおこります。まれに瘢痕になることがあります。
※当院ではおこなっておりません。
3)局所薬物療法
イソジン外用法
クリニック受診後に自宅でできる治療法です。治癒までに時間がかかりますが、摘み取る痛みがなく頻回に通院しなくてよいのが利点です。
綿棒にイソジン液をつけて、伝染性軟属腫(みずいぼ)に塗布して乾燥させます。この塗布→乾燥→塗布を5~6回繰り返します。
※治療はクリニックを受診の上、医師の指導のもとにおこなってください。
このほか、硝酸銀液、サリチル酸(スピール膏など)、グルタールアルデヒド、グリコール酸、モノクロル酢酸、ポドフィリン、イミキモド、活性型ビタミンD3軟膏、ビダラビン軟膏などの塗布がありますが、すべて保険適応外の治療です。
最近、銀イオン配合のクリームも使用されます。保険適応はなく、分類上は医薬品ではなく化粧品扱いとなりますが、やや赤くなるものの効果のある場合もありますのでご希望の方はご相談ください。
*mーbf クリーム 1本 2200円
4)内服治療
疣贅(いぼ)の治療に使うヨクイニンを内服します。
生活上の注意
伝染性軟属腫(みずいぼ)の予防法は、ドライスキンやアトピー性皮膚炎のようなバリア機能が破たんしている状態をできるだけ改善しておくことです。保湿剤をしっかり全身に外用して皮膚のバリア機能を回復させ、ウイルスの感染と拡大を防ぎます。
プール後は乾燥しやすいので特に保湿が大切です。 兄弟・姉妹に伝染性軟属腫(みずいぼ)ができた場合は、皮膚どうしが直接接触しないよう別々に入浴しましょう。学校を休む必要はありません。
プールは禁止ではありませんが、他人への感染を防ぐためにラッシュガードを着用するなど直接皮膚が触れないようにしましょう。 日本小児皮膚科学会から皮膚の学校感染症とプールに関する統一見解がでていますのでご覧ください。
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