掌蹠膿疱症
- 2019年2月13日
- 一般皮膚科
掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症はウミが溜まった膿疱と呼ばれる皮疹が手のひら(手掌)や足の裏(足蹠)に数多くみられる病気で、周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返します。
また、鎖骨や胸の中央(胸鎖肋関節症)やその他の関節が痛くなることがあります。足の皮疹は水虫によく似ていますので、診断をはっきりさせるために皮膚表面の角層を一部取り、顕微鏡で調べて、水虫を起こすカビ(白癬菌)がいるかどうか調べる必要があります。
この皮膚病のウミの中には細菌(ばい菌)や真菌(カビ)などの菌はいません。したがって、手足から体のほかの部位に感染することはありません。
ミを自分で出そうとして針や爪楊枝でつきますと、二次的に細菌が増え、腫れて痛くなることがありますので、注意して下さい。
扁桃腺や歯、鼻などに細菌による慢性炎症があると掌蹠膿疱症が生じることがあります。歯科金属(パラジウムなど)に対するアレルギーが引き金となり掌蹠膿疱症が発症した事例が報告されています。病巣感染がないのに治りにくい場合や、金属アレルギーが疑われる場合は、パッチテスト(疑われる金属を実際に皮膚に貼り皮膚反応があるかどうか調べる検査)を受けましょう。
病巣感染や金属アレルギーなど、病気を悪化させる要因があれば取り除くようにします。もし、これらの増悪因子がみつからない場合は、対症療法を行ないます。
先ず外用療法を選択します。かゆみが強かったり、新しい皮疹がたくさん出る場合は強いステロイド軟膏を使用し、良くなってきたら弱いステロイド軟膏や活性型ビタミンD3軟膏に変更します。
皮疹が頑固な場合は紫外線療法や短期間のビタミンA誘導体の内服を行うこともあります。
エキシマライトは手足の厚い皮膚にもしっかり作用します。治療時間も両手足合わせても数分です。
関節症状が生じる部位
掌蹠膿疱症の患者さんの約10%で関節や骨に炎症があり、痛むことがあります。この症状は胸骨と鎖骨、肋軟骨の結合部に最も多く認められます。